アクセサリーパーツをTi-6Al-4Vで?
先日発表したオイルラインボルト KW-OLBT
なんだかんだとご好評いただいているようです。
で、
今まで私マツヤマと実際に会って話したり、このブログを色々と読んでくださっている方。いわゆるベータチタニウムの製品について色々ご存知の方々からメールやお会いしたときに聞かれることがでてきました。
『らしくなくない?』
と。
正直ですね。
今までベータチタニウムに入社してからずーっと考えていて実践していることがあります。
『ボルトで体感』
です。
昔っからチタンボルト(あえてこの言い方をします)ってもんは装飾、軽量化を求めてのものが殆んどです。さらに製造国もミルシートも存在しない何チタンかわからない。螺旋として非常に不安定なものが多く出まわっており、『焼きつく、かじる、折れる』といったネガティブな印象が非常に強いものでした。
正直2輪や、4輪の製品を作っていく上で、いろんな人の話を聞いて絶望した記憶があります。
『そんなに評判が悪いのか』と。
そこでベータチタニウムとして、2輪用部品を開発、展開していくに当たって、
まず最初に取り組んだのがチタンボルトのネガティブイメージの払拭です。
最も購入される方が心配されている耐久性
これはヨシムラジャパン、トリックスター、BEET、そしてKohara Racingへのサポートを通じ、8耐、全日本、そしてテスト走行等、様々な状況下でのテストを繰り返すことにより、力のかかるキャリパーマウントボルトやリンク周りのボルトとして何年にもわたりデータを集めてきました。
次に材質そのものへの理解
まずチタンボルト→チタン合金ボルト→Ti-6Al-4Vボルト→TAB6400ボルト
と、ブログや各紙面での呼称を少しずつ変えていっています。
単純にチタンボルト→TAB6400ボルトでは全く繋がらない為の苦肉の策でしたが、地道にやってきたおかげでTAB6400→チタンボルトという逆引きでの理解というものは6年前に比べて格段に上がったと実感しています。
そして最も個人的に最も力を入れてきたのが『体感出来るボルト』という事です。
上記のレーシングチームやそれに関わるレーサーからの様々な感想やデータを集めるとともに、一般ライダーでも体感し、そして感動できる箇所はないかと探しました。といっても多種多様なオートバイ。螺旋屋のベータチタニウムだけでは力が足りませんでした。ここではアサカワスピード、BuellLeo、Ridinghouse等々特化した車種でのテストを繰り返すことが出来ました。
車種を分散させたことにより、車種を選ばずに体感しやすいボルトたちが生み出されたと思います。例えばリンクボルト、ディスクローターボルト、アクスルシャフト、キャリパーブリッジボルト等々。今は殆どが定番としてベータチタニウムユーザーに愛されていると思います。
そして、ここで話は戻って。
逆なんですよね。
今回出したオイルラインボルト。
もうね、
まったく体感出来ません。
重量もバネ下でもなく数グラムしか変わりません。
多分5年前の私ならこれをベータチタニウムのラインナップに入れてません。
こういったものは今までワンオフでの作成は受注していましたが、
ベータチタニウムの製品としてラインナップすることは頑なに拒んできました。
見た目だけの製品を出すことへの抵抗。
それはチタンボルトは見た目だけの部品だと思われることの”恐れ”でした。
それが今になって何故?
と思われるでしょう。
正直『儲けに走った』とも言われました。
まぁ、商売としてやっている以上それは否定はしないんですけれども(笑)
いままで5年間、ずーっとストイックな製品ばかりを出してきて、
正直『そんなもん効かない!』なんて何度も何度も言われてきて、
その度に効く箇所を探して探してつくってきたんですが。
6年目になってようやくある程度の理解が得られたなと。
チタンボルト≠ファッション部品
ベータチタニウムの製品=機能部品
そう思っていただけるようになってきたかな、と。
そう感じた瞬間に
『じゃあつぎはチタンの輝きがかっこいいって事を出したい!』
って、素直に思えるようになってきました。
今回のこのオイルラインボルト。
螺旋はベータチタニウム得意の転造螺旋ではありません。
必要ないですから。
特にテストの結果、カジリ、焼き付きも見られなかったので、コストダウンの為に切削螺旋です。
『カッコイイじゃん』
そう言ってもらえるだけの製品なんです。
ベータチタニウムはこれからも様々な挑戦はしていきます。
けどね。
こういった遊び心を前に出した製品も
ちょっとづつ増やして行こうと思います。
いま、そう思えるようになったのを感謝しながらやっていきます。
うーん
たまに長文書くと相変わらず支離滅裂ですね(笑)