Machine Elements-Shaft
機械要素としての”軸”
機械要素というものは一つの機械を構成する上で必要とされる部品の最小機能単位を表す言葉なのですが、一口に機械要素といっても結構色々と種類、役割があります。
まずはベータチタニウムの得意とするネジ、
サスペンション等に代表されるバネ、
動力伝達を目的とした歯車、
支点、力点、作用点で力量を変異させるてこ、
運動方向の変換能力を有したカム
そして軸
軸というものは大きく分類すると回転させて動力を伝達させるという役割を持つ主軸と
回転物を軸受を介して受け止める役割を持つ固定車軸の二種類に分かれます。
オートバイに使用されるアクスルシャフトはここでは固定車軸に分類されます。
単純にアクスルシャフト AxleShaftというと車軸の事を指します。
ホイールスピンドルという名称を使われることもあるのですが、
自らが回転運動をするもの=スピンドルという認識をしていますので、
ベータチタニウムではオートバイのホイール受軸はアクスルシャフト=固定車軸という位置付けをしています。
さて、このアクスルシャフトというものをしっかりと考えた場合に上記のアクスルとスピンドルというもの。
機械要素の中で
固定車軸(アクスル)
主軸(スピンドル)
というものは両方同じ”軸”という機械要素に分類されるのですが、
その目的の方向性は違ってきます。
まずスピンドルに代表される主軸に求められる能力
それは非変異性であり、運動中に可能な限り形状を維持しながら回転力を伝えるという能力を求められます。
そしてアクスルに代表される固定車軸に求められる能力は
力の方向性を変換し伝達するという能力色が強くあります。
オートバイのアクスルシャフトで考えると回転物であるホイールをホールベアリング―回転軸受けを介してアクスルシャフトで受け止め、
その両端からフロントサスペンションに対してテンションを掛けていくという仕事をします。
単純に主軸(スピンドル)というものは回転させた際に他方向から掛かる力を受け止め
自らを変異させないように維持する能力が求められ、
固定車軸(アクスル)というものは回転物を軸受を介して受け止めて
正確に力を次の機械要素に受け渡すという能力が求められます。
もっと簡単にいうと
主軸は自らがしっかりとして他の機械要素に仕事を与え
固定車軸は可能な限り他の機械要素に仕事を受け渡す
というイメージですね。
ですのでシャフトを作成しようとした際に、オートバイのアクスルシャフトというものに求めた性能は、
ただ単純に剛性を上げるではなく、軽量化を求めるのでもなく、
可能な限り機械を構成する他の要素に動きを伝えるという役割を一番に考えています。
今日は年始から、私のイメージとしての認識ですが、アクスルシャフトについて書いてみました。
物理的根拠ばかりではなく、認識としてですのでニュアンスで書いている部分も多々あります、
あくまでもこんな考えをベースにしているんだなと思っていただければ気が楽です。