陽極酸化処理
ベータチタニウムの象徴ともいえるこの写真
この青いボルトはいったい何なのか?
ただのファッション??
いいえ、違います。
この青色には理由があるのです。まずはこの青くする処理についてお話します。
陽極酸化処理
特殊な水溶液中で電極操作により酸化を進める方法です。
以前の記事【チタンは錆びない!?】でも少し書きましたが、チタンってすごく酸化しやすいんですが酸化したあと強くなる的なことを書かせてもらいました。
そして、チタンが酸化すると変色するのです。
これはオートバイに乗ってらっしゃる方なら大体はご存知のでしょうが、有名なのはマフラーのエキゾーストパイプに使用されているチタンが高熱で酸化することにより鮮やかなグラデーション状に発色するのはが有名です。
これを加熱酸化といい、金属の温度上昇によりチタンと酸素が結合する事によって酸化皮膜を形成しその厚みや組織によって色が変わります。
さて、ここで陽極酸化の話に戻りますが
陽極酸化処理も酸化皮膜形成というのが大きな目的であり加熱酸化と同じような効果がでています。
それではいったい何が違うのか??
それはズバリ酸化皮膜の安定です。
マフラーがグラデーション条に色が変わっていくのと違い陽極酸化は基本的に単色でまとまります。
この状態は表面の数ナノの厚みで酸化皮膜が安定しているからなのです。
マフラーのように熱で酸化を進めるとどうしてもムラになります。
マフラーであればこのムラは問題無いのですが、ことボルトというと高負荷にさらされる場所でムラのある酸化皮膜だと力の応力集中を起こし破断の原因になります。
さらに厚すぎる酸化皮膜はその下のチタンとの硬度差が生じ焼きつきやカジリを起こしやすくなります。
チタンのボルトをバーナー等であぶるとキレイな焼け色(酸化皮膜)が付きますが、それはボルトの性能を著しく低下させるだけではなく大変危険な行為なのです。
では、なぜベータチタニウムではわざわざ酸化皮膜を付ける為に陽極酸化処理を施すのか?
それは陽極酸化処理で作った酸化皮膜で安定した酸化皮膜を作ることによりネジのカジリや焼きつきに対して効果を発揮できるのです。
何故か?
それはチタンの表面がナノレベルで安定する事により表面が滑らかになり、相手側に対する攻撃性を失わせると同時に薄く強い酸化皮膜で防御性を高める事が可能だからです。
さらに酸化皮膜が安定する事により電蝕等に対しての腐食代としても活躍します
こうしてボルトとしてカジリや焼付きに強い性能を持たせる事が可能になるのです。
ベータチタニウムではネジ部を熟練の職人の手による【転造】で造りますが、それでも焼付き等が心配の方の為にこのような表面処理を用意しています。
そして64合金で最も色の安定がでるのがこの蒼のため通常出荷品はこの色で統一させています。
見た目だけじゃなく、ファッション性だけじゃなく、ネジとして性能を追求した陽極酸化の色
普通の着色や、他の物質を蒸着させるのとは違うチタンそのもののを変える事によって生まれる安全な発色。
ベータチタニウムのネジに対するこだわりの一つでもあります。