2012.09.06

新規開拓

こんばんは、いつもバタバタで頭の中がいっぱいの木内です。
今日のブログも危うく忘れそうになっていました。

本題の新規開拓について、常に新しい分野への営業を考えていますが、64合金ボルトを生業にしているとつい初心を忘れてしまうことが多々あります。

初めてチタン合金の材料を手にした時
その材料でボルトを作って手に持った時
ボルトをバイクにつけて走った時

すべてにおいて驚きと感動を覚えました。
その反面、データで見るうえで一切問題ないことが分かっていても、未知の素材を使って、この手で作ったボルトが本当に大丈夫なのか
不安はありました。
それもその筈、「かじる」「焼きつく」「突然折れる」といった噂が、常に頭にありましたし、全く使った経験がありませんので、問題がないと言い切れるだけの経験や理論もありません。

10年ほど前、ようやく自分が作るボルトに自信が持ててきた頃、ロードレースに出場しているチームオーナーと話をさせて頂き、サポートで装着をお願いした足回りのボルト類の納品を済ませた後、鈴鹿サーキットでレースメカニックの方と口論になった記憶があります。

レースメカニック曰く

「昔からチタンボルトはよく使ってきたが、突然折れてかじって抜けなくなる。もし、ボルトが原因でライダーが怪我をしたら、どうする気だ?だからチタンボルトは使えない!」

今となってはレース車両の爆音が鳴り響く中、大声で言い争ったことが懐かしく思えます。

それというのも7年間鈴鹿8時間耐久レースに出場するチームに装着していただいている、「ヨシムラジャパン」「トリックスター」「モリワキエンジニアリング」をはじめ、各チームのレースメカニックからの評価は最高のモノとの評価をいただいています。また、何度も表彰台に上がるお手伝いをさせて頂いてもいます。

今年、「TOHO RACING with MORIWAKI」の車両が8時間耐久レースで2位の成績は偉業と言われています。
それは市販されているレース車両に市販されているキットパーツで、弊社の製品が100本以上組み込まれていて全てが在庫品、お買い上げいただいているボルトと同じ製品です。本当に誰もが買って作ることができるオートバイです。
ワークスチームに比べ歴然とした差がありながらも2位の成績は、偉業という言葉がぴったりなのかも知れません。

今、新しい分野へ開拓をしようと思えば、10年前にレースメカニックから言われた言葉と同じ事を言われます。
またか?と思う前に何か対策を練らなければなりませんね。
チタンやチタン合金の素材となると製鋼メーカーの分野になりますが、加工してボルトのなると螺旋屋の分野になります。
初心に帰り、あの頃抱いた疑問や不安をひも解き整理する必要がありますね。

それでは!!