2012年2月2日
64合金について
先日、日本チタン協会の西日本支部の新年会に出席してきました。
東北大学の教授の基調講演があったりと非常に参考になるお話が聞けましたし、やはり、その後の飲み会で様々なチタンに関する濃い話が聞けました。
日本チタン協会の新年会ですので、どこのテーブルでもチタンの話ばかりです。
その中で製鋼メーカー系の研究機関の方と話をする機会がありました。
製鋼メーカー側としても安い海外製品が国内の市場に出回り、「チタンはダメだ!」との認識が広まることを警戒されており、どこの国の製品であるかはあえて書きませんが、海外製品が国産品TAB6400に比べ、引張強度・耐久性で劣る理由を聞くことが出来ました。
一言でいうと「国産品に比べて化合物が多く含まれる。」ということだそうです。
詳しく説明すると、化合物とはTiO2などチタンの化合物、アルミの化合物、バナジウムの化合物、その他化合物からなり、結晶粒の間に存在しています。
その化合物は結晶粒の結合を弱くする性質があり、そこを起点に破断が起きるということになります。
これらは成分成績表(ミルシート)を一切分かりませんし、簡易測定機を用いても明らかにはなりません。
こうした海外製品の64チタンは、簡易測定機ではバナジウムやアルミは規定値にありますし、明らかに64チタンなのですが、JIS規格のTAB6400では無いということになります。
正確な分析は製鋼メーカー系列の検査機関に依頼する以外方法がありません。
常に安い製品ほど多く広まりますし、その製品の評価も多くなります。
また、高い製品ほど少量しか広まりませんし、その評価も少なくなります。
製品の評価は多数が勝り、少数は埋もれてしまう事を、理解は出来ているんですが、飲みながら二人とも納得できないでいました。
どこの飲み会でも一緒ですが、愚痴が付き物です。(笑
カテゴリー:螺旋屋徒然ブログ
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