2007年4月21日
鍛造 ~鍛え鍛えて造られる~
鍛造
金属加工の一種である種の形を作るための工程。
類似語として「鋳造」があります。
鍛造自体の説明は【社団法人 日本鍛造協会】を参照してください。
読むのがめんどくさい人の為に簡単に言うとガンガン叩いて「鍛えて」「造る」という事です。
そしてこの鍛造って言葉はオートバイ乗りの方なら一度は耳にした事があるのではないでしょうか?
アルミ鍛造ピストン
マグネシウム鍛造ホイール
高性能の製品をアピールするのに使われる事が多く、実際に金属としては一般的に鋳造に比べ強くなります。
一般的にはアルミやマグネシウム、または鋳鉄を鍛造して強度区分を上げるのですが、ベータチタニウムではただでさえ強いTi-6Al-4Vをボルトとして作る為に鍛造品を使います。
この素材を使う事によって高負荷の掛かる足回りやブレーキ周りでしっかりと「繋ぐ」という性能を発揮できるボルトが生まれるのです。
まぁ鍛えた分、加工は至難の業ではありますが…
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2007年4月19日
北の国からやってきた
こんなオートバイ知ってますか??
旧ソビエト時代からロシアで製造されている
【IMZ-URAL イー・エム・ゼー ウラル Wikipedia】
今回はこのオートバイのリアアクスルシャフトの製作を御注文いただきました。
純正品が朽ちた為、取付が出来なくなったそうです。
下が純正です。材質はただの鉄ですね、胴径20mmでした。
写真の上がSNCM447で作成したスペシャルモデル
(クライアントの軽さなんかいらんから安くて強いのが良いとの御希望につきニッケルクロムモリブテン鋼のSNCM447使用です)
右が純正M14P1.5
何故に胴径20mmに対してこんなに細いんだ…
ということで取り付け剛性アップのためM18P1.5にて作成(写真左)
ナットも作り直しです。
フランジをつけて座面締結力をアップさせました。
これで錆びの元になっていた割が必要なくなるでしょう。
これに防錆処理かけて完成です。
ベータチタニウムっていうとチタンしか使わないイメージを結構持たれているんですが基本的にネジ屋さんなんで色んな材料使います。
旧車や絶版車のボルト、ナットやシャフトは別途見積り(無料)しますのでお気軽にご連絡下さい。
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2007年4月17日
Ti-6Al-4V ベータチタニウムの根幹
ベータチタニウムで扱う材料の各種正式な表記は「JIS60種」・「TAB6400」・「AMS4928」・「ASTM B348 Gr5」・「MIL-T-9407」・「DIN3.7165」と表記されますが、一番多い表記では「Ti-6Al-4V」と呼ばれています。
それではTi-6Al-4Vでボルトを作る意味というものを考えてみたいと思います。
一般的にチタンボルトというと軽さが目に付きますが、ベータチタニウムでは只のチタンではなくチタン合金の強さに着目しています。
ボルトに強度や剛性があることによるメリットは実は数多くあるのです。
ボルトというものは何かを締結、繋ぎとめるために存在していてオートバイを構成するためには数多くのボルト、ナットが使用されています。
締結のために使われているということは常にある一定以上の負荷が付きまとい、その中でもサスペンション付近やブレーキ回りのボルトには常に大きな負荷が掛かっています。
その中で速度の上昇や急激なブレーキングによってボルト自体が逃げてしまい路面やエンジンからの振動を締結面の軋みから増幅させてしまい、ジャダーを大きくしてしまっているのです。
路面からの力が掛かるサスペンションやブレーキ回りの剛性が上がると、無駄な捩れや振動が消え機械的な動きがスムーズになり応答性や路面追従性をふくめた車体全体の動きもよくなり、その上でチタンの持つ特性の比重の軽さからバネ下重量の軽量化にも大きく貢献し、軽快性も大きく向上する事になります。
ただ闇雲に軽量化だけを狙うのではなく、見た目だけを追い求めるのでもなく、ボルトという物に求められた必然というべき性能を昇華させることによって得る機能、性能がベータチタニウムの製品には込められています。
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