2007年8月23日
今日はちょっと固い話です。
この仕事を始めてからチタン合金の固さ(正式には硬さ)について、ず~~っと悩んでいます。
それは鉄には様々な種類があって、用途にあった特性の材質があります。
また、メッキ及び焼入れなどの表面処理が確立されています。
ですが・・・
チタンにはそういったものがほとんどありません。
もし・・・
自動車エンジン内部の鉄をチタンで出来たなら・・・・
楽しくなりますね。
地球温暖化防止に貢献できます。(ホント。
将来、チタンが普及してくれば技術開発が進み、どんなところにもチタンが使えるようになるでしょう。
しかし、それは数十年先の話なのか?数百年先の話なのか?は分かりません。
ただ、私が生きている間に・・・というか、自分が見たい・やりたいだけなんですが・・・
ベータチタニウムとしての結果を出したいですが、まだ、硬さについての悩みは現在進行中です。
次回はネジの話をします。
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2007年8月21日
ベータチタニウム 木内です。
はじめまして、ベータチタニウム 木内です。
今日から松山が関東方面に出張に行っていますので、私が日記の担当をさせていただきます。
あれ???。
ブログの題名が変わってる。
やられました。orz
チタンとネジの話が中心になりますので、技術系の方は必見です。
今日は国内のチタン事情の話をします。
まずは、サラッ?とチタンの製造工程の話をします。
チタンはルチル鉱石(チタン原石)から、純粋なチタンを取り出します。
いわゆる精製といわれるものです。
日本国内では「住友チタニウム」「東邦チタニウム」の2社で行っています。
精製されたチタンは「スポンジチタン」「チタンインゴット」と呼ばれるもので、それらは神戸製鋼・大同特殊鋼・新日鉄・愛知製鋼・住友金属で材質ごとに調合され、丸棒・板・パイプなどに加工され市場に流通します。
弊社では、このように出来た丸棒を仕入れ加工して、ボルト・ナットとしてお客様にお届けしています。
ここ数年の間にチタンの値段は高騰していますが、その理由のひとつに海外での航空機需要が伸びているためといわれています。
それによって国内でルチル鉱石から「スポンジチタン」「チタンインゴット」精製していたのでは供給が間に合わない為に、海外から「スポンジチタン」「チタンインゴット」を購入し、再精製しているからだと言われています。
ところで「なぜ?海外からのスポンジチタンを再精製??」と思われた方は鋭い!。
「不純物を除去できていない。」
これが一番の理由です。
不純物を除去できていないスポンジチタンで板・丸棒・パイプなどの材料を作った場合、どういう不具合が出るのか?
「曲げればすぐ折れる。」「引張ればすぐ切れる。」となります。
「あっ」と心覚えのある方。
まさしく「それ」です。
ネバリが足りません。
国内で板・丸棒・パイプを作っている製鋼メーカーでも海外の「スポンジチタン」を使う事を検討しているようですが、実現には至っていないようです。
このような事情があるので、弊社が日本国内の材料に拘っているというのを理解していただけると思います。
「全てのお客様に最上級の製品を!」
これからもずっと持ち続けたい信念です。
これが住友チタニウム製「スポンジチタン」です。(&木内の手
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2007年7月23日
設計~試作~試着~試乗
バイクの専用ボルトを作るときに出来ればしたいのがフィッティング
通常ワンオフ作成する場合は現在使用しているボルトを送っていただいてこちらで図面を引いてお客様に確認していただきます。
ただ、ショップさんとのコラボレーションモデルや超コダワリの製品では実車をお借りしてベータチタニウムでフィッティングすることもあります。
と、いうことでとりあえずバラします。
浮いてますキテマス まるでMrマリックの世界…
誰だ!?オッサンって馬鹿にするのは!!
バラしたら今度は図面引きです
CADで螺旋を書きます(流石にキチンとは載せれません…)
ここからは企業秘密なので暫く文字だけです
図面が仕上がったら今度はTi-6Al-4Vの鍛造材をNC旋盤で加工します。
大体NC旋盤で3工程(三回機械から付け外します)行います。
その次に汎用旋盤で追処理をしてボルトの形に仕上げます。
ボルトの形がキチンと出来れば次はいよいよ転造で実際にネジ山を造ります。
転造処理が終わるとネジ山を仕上げ加工です。
仕上げ加工を終えてネジをゲージで検査します。
(ネジがキレイに入ってキッチリ止まるかのテスト)
ゲージ検査を終えるとお次は洗浄です。
一次洗いから三次洗いまで行い乾燥させて完成します。
そして乾燥し終わったボルトを点検して終了
今回は車両預かりなのでここから装着テストです。
規定トルクで取り付けてフィッティングを確認します。
キチンと動作が確認できたら実走テストで換装の前後の違いを体感してみます。
それでは行って来ま~す☆
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2007年7月10日
一言独り言
今日はベータチタニウムで働いていて思うことをつらつらと書いて行きたいと思います。
まず、最初に一言
ベータチタニウムで販売しているのはチタンボルトではありません。
Ti-6Al-4Vチタン合金ボルトです。
なぜこのような書き方をしなければならないかというと、チタンボルトとTi-6Al-4Vチタン合金ボルトは全く違うものだからです。
こんな事を書くと
「どっちもチタンじゃないの?」と思われる方が多いと思うのですが、
クロモリ製のフレームとスチール製のフレーム(S45C等の鉄系統)では全く違いますね。
しかしクロモリと鉄(S45C等)って同じ鉄系統の合金なんですね、
(クロモリ=クロム、モリブデン配合合金)
(S45C=炭素配合合金)
けれどもクロモリで加工してある製品をわざわざ
「スチール製品です!!」って販売していませんよね。
それはスチール(鉄)よりもクロモリ優位性高いからです。
ここから話は戻って
実際にチタンボルトを自分で購入されている方でもその素材が純チタンなのかチタン合金なのか、またチタン合金の何を使っているのかご存じない事が多々あります。
さらに販売している人間や下手をすると加工側の人間ですらわかっておらずただチタンと名のつくものでボルトを造っていることがあります。
以前書いた「チタンは軽い?強い?」を読んでいただけるとご理解いただけると思うのですが高負荷の掛かる所にチタンボルト(純チタン2種及び純チタン3種)のボルトを使用するのは危険です。
純正で使用している鉄のボルトより強度が落ちる純チタンのボルトをブレーキ周りで使用するのはボルトの破断から事故を引き起こす原因となります。
なぜこんな事をわざわざ書くのかというと、いままでこの会社で働いていて実際に色々な車両を見たり販売店さんとお話したり、または個人の方のブログを拝見させていただいたりすると余りにも危険な使い方をされている方が沢山いました。
その殆どが
「純チタンでもチタンだから強いんだろう」
と思っている方が殆どです。
そしてそういう使い方をしてボルトが破断したり螺旋がかじったり焼きついたりしたりとトラブルを引き起こし「チタンのボルトは折れたり焼きついたりするからダメだよ」っという結論に達する事が多いのです。
キチンとしたTi-6Al-4Vのボルトを使用してそうなったのかが甚だ疑問に思います。
「チタンは破断するときにいきなり折れる」
こういうことをよく聞くのですが、純チタンならともかくまともなTi-6Al-4Vチタン合金のボルトがでスチール(鉄)のボルトでなんともなかったところでいきなり破断するなんて考えられません。
実際に昨年一年ヨシムラジャパンさんにレースサポートとしてブレーキのキャリパーマウントをはじめ様々な高負荷の掛かる所にJSB1000クラスで一年間使用していただきました(鈴鹿八耐、300Km含む)が一本たりともカジリ、焼付き、破断等のトラブルはありませんでした。
(当然ながら交換部品も出していません)
なぜならTi-6Al-4Vチタン合金は元々が耐振動耐衝撃に優れた特性があり普通の金属では破断してしまうようなところで使用する金属だからなのです。
Ti-6Al-4Vチタン合金というのは現在主に航空機分野で使用されています。
一体どこに使われているのかというと有名なところでは大型旅客機の翼を止めるのにTi-6Al-4Vチタン合金のボルトが一機あたり約1000本使われています。
沢山の人間を運ぶ大型旅客機の翼に使うのにいきなり破断するような金属を使うと思いますか?
しかし「Ti-6Al-4Vチタン合金でも折れたよ!!」
と仰る方もいらっしゃいます。
ここで一つ言いたいのは上記の航空機分野で使用されているTi-6Al-4Vチタン合金の99%以上は日本製のチタン合金だといわれています。
チタンの精製は非常に難しく世界でも10ヶ国程しか生産されていません。
その中でも日本製のチタンというのは世界でも非常に評価が高く世界中から引っ張りだこなのです。
ベータチタニウムでは材料を吟味してボルトを作成します。
「チタンのボルトは値段が高いのにすぐにダメになるよ」
こう言われると余りにも悲しいです。
ベータチタニウムのボルトは確かに高価かもしれません。
それは材料から拘り
鍛造材に拘り、転造に拘り、品質に拘っているからなのです。
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2007年7月6日
八耐カスタムビレッジの準備
八耐まで残り三週間となりました。
とりあえず展示物をまとめてるんですが今回はアクスルシャフト祭りになりそうな予感デス
GSX-R1000、CBR1000RR、YZF-R1、ZX-10Rの国産スーパースポーツにZZ-R、隼のメガスポーツ。
ZRX1200やCB1300SFのビックネイキッドにミニモト用。
更にはBuell、DUCATIの外車用も展示します。
少なくとも10本以上展示する予定です
あまり手に触れる機会のないパーツなので皆さん会場で触れてみてください☆
その他は各車種用ディスクローターボルトや、キャリパーマウントボルトなんかも展示予定です。
写真は去年の展示会の様子
今回は大物が多いので全然違う感じになりそうですけどね。
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