2009年10月9日
God is in the details
God is in the details
神は細部に宿る
ドイツの建築家の言葉だそうですが、ボルトを造っているときに何時も考えさせられる言葉です。
掘り下げれば
「細かなディティールを疎かにしては全体の美しさは構築できない。」
「細部の論理を維持していくことで、全体の論理が機能する。」
等の意味を表す言葉だそうです。
常に細部にあたるベータチタニウムの製品達に何かが宿るのならば、
そこに神が宿っているんだと感じてもらえる製品を造りたいと思いますね。
それは決して見た目だけの美しさではなく、
使うことによって求められる性能に一番かかるものだと思っています。
普通は美術であれ、あるいは音楽や文学であれ、あらゆる芸術で
優先されるのは、いつでも作品‘全体’の価値である。
だから、たとえ‘神は細部に宿る’ことがあったとしても、その
‘細部’は最終的には‘全体’に統合されなくてはならない」
これは文頭の『神は細部に宿る』を好んで使ったドイツの美術史家の言葉だそうです。
細部だけでは用を成す事は出来ません。
全体に統合される、確実に結合せることにより神は宿ると信じてボルトを造っていきたいです。
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2009年7月23日
一生ものの
現在発売中
別冊モーターサイクリスト誌8月号
110~113ページの『一生もののバイクの直し方、愛し方 第八回』の記事中に、ベータチタニウム製品と会社を取材して頂いています。
記事中にはベータチタニウム製品の根っこの部分から加工段階まで、
そして実際に使用する際のコツなどなど非常に面白い内容で書いて頂いています。
ぜひ御一読下さいませ。
そして、
ずっと予告だけはしていたんですが、なかなかまとまらない為に書けなかった電界腐食について…
ひじょーーーーーーーに
わかりやすく解説していただいています。
とりあえず皆様、
紙面でご確認ください。
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2009年6月5日
続・12Point
前回の記事に引き続き12Pointについて。
12Pointの記事を書いてから12Pointについてご質問がありましたので、
こちらでもちょっと付け加えておこうかと思います。
こちら12Pointの頭だけを切り出したものですが、ご覧の通りワイアリング穴が二つ開いています。
通常のTi-6Al-4V鍛造だと鍛造材加工の特性上、ワイヤリング穴は普通に汎用機での後加工での処理になるのですが、丸材からの加工品である12Pointであれば、作成時に機械加工で入れることが可能です。
前書の12Pointoの記事でも書いた内容を逆に考えればスプリングバックをかける際に低いトルクでの使用を前提と考えた為に周り止めとしてのワイヤリングはデフォルトであったほうが便利だろうという事で入れておきました。
また今度、実際の装着写真なんかも載せてみたいと思います。
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2009年6月3日
12Point
今回のラインナップ改訂で一番の目玉がこの12ポイントボルト。
サイズはM8、M10の二種類しかご用意していませんがスタイリングはご好評をいただいています。
12ポイントのメリットはなんといっても『締め付けトルクの安定』これに尽きます。
通常の六角ボルト(TIHC,TIHX等)は工具で締め付ける際に6点で押さえるのですが、12ポイントの場合は12点接地で押さえつけます。これにより締め付けトルクをかける際に六角よりもより円運動に近い状態で安定したトルクをかけていけるようになっています。
上=12ポイント 下=六角
さて、しかしながらこの12ポイント。
ベータチタニウム製品をご愛顧いただいているユーザー様はお気づきだと思うのですが、鍛造材を使用していません。サイズ的には他の製品同様Ti-6Al-4V鍛造を使用しているとお思いの方も多くいらっしゃると思いますが、あえてTi-6Al-4V丸棒からの加工をしてあります。
それはあえて鍛造材を使わない事によって伸び率の違う特性を持たせたかったというものがあります。
今までの事例で通常のピンチボルトやブレーキキャリパーのマウントボルト等は多少多めにトルクをかけても大丈夫なのでスプリングバックがしっかりと効くまで締めていただく事が多いのですが、倒立フォークのピンチボルト等を締め付ける際にβ組成とα組成の組み合わせであるTi-6Al-4V鍛造では、スプリングバックが効く前に指定トルクにきてしまうという報告があり、内圧の変化等で規定トルクを超えるトルクを掛けれない箇所での使用で困るというお声があり、通常の鍛造材以外の特性を持たせた製品もラインナップに必要だと考えました。
それが鍛造材を使用せずに尚且つ安定したトルクを掛けれるようにと選んだ形状と加工方法です。
形状的に化粧ボルトと思われる方もいらっしゃるでしょうが、あくまでもベータチタニウム製品の使用用途の幅を持たせるための形状なのです。
それでも見た目は特異なボルトですが、ある種研ぎ澄まされた形状の美しさと私は解釈しております。
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2009年5月13日
規格と基準の大きな違い。
TAB6400=Ti-6Al-4V
Ti-6Al-4V≠TAB6400
ベータチタニウムでは創立以来Ti-6Al-4Vチタン合金を使用して様々な製品を作成しております。
航空機分野や宇宙開発事業等の最先端分野でチタンは目覚しい活躍をしており他の様々な特機分野においてTi-6Al-4V はその汎用性とバランスの取れた特性で最も多く使われていると言われています。
しかし、ご存知でしょうか?
こういった最先端分野でのチタン、その中のTi-6Al-4Vというのは実は一握りのものだということを。
チタンを鉱物から材料にする過程で『スポンジチタン』という形状を経るのですが、このスポンジチタンには厳正な基準があるのです。その基準となるのは、鉱石からスポンジチタンに精製する際にどれだけ精度を上げる事が出来るかということなのですが、ここで最上級の精製規格をクリアしたスポンジチタンのみが『プレミアムチタン』と呼ばれ航空分野、宇宙開発分野に使用されているのです。
このプレミアムチタンの90%以上は日本で精製されていると言われていますが、プレミアムチタンの大きな特徴は『酸素含有量』と『不純物非配合量』で、最も単純でありながら精製において手間のかかるチタンにとって骨幹となる要素でもあります。
チタンにとって酸素含有量が多くなると材質としての『撓り(しなり)』が低下し、不純物含有が多いと結合力の低下を招き破断や座屈を招く原因となります。
そしてプレミアムチタンという基準をクリアした素材から造られた規格品Ti-6Al-4V を『TAB6400』言い、世界中でも日本国内での生産されたものが適合する最高級の精製精度を持った材料なのです。
ベータチタニウムでは日本国際生産のTi-6Al-4V『TAB6400』を使用し各種工業用鍛造ボルト、モーターサイクル用アクスルシャフト、車用のホイールナット等様々な製品を作成しております。それは過度と言われても『折れにくさ』『曲がりにくさ』を追求し最終的に『安全』を追及した結果なのです。
例えば同じTi-6Al-4Vという配合率の合金といえども、加工条件も違えば単純に製品にした際の性能は必ずしも同じとは言えず、装着してからの耐用年数であったり、最大締め付けトルクであったり、さらにはボルトにもっとも必要な締め付けトルクの安定というところで大きな優位性があります。
ベータチタニウムは社名のとおりチタンの合金を扱う会社です。そして、主要製品で最も多く扱うのが機械要素で締結という重要な役割を担う『ボルト』であります。
ボルトメーカーとしてチタン合金を扱うベータチタニウムが、モーターサイクル用のボルトのとして長年の経験とデータでたどり着いたのがTB6400チタン合金なのです。
それは単純な引張強度や比重という目に見える数字だけではなく、実際にボルトを使用した際にかかる力に対して、状態を安定させ、締結される部材を安定出来るかなのです。もちろんモーターサイクル以外の特殊用途に対してご相談いただければ、それに見合う性能を有した材質や加工方法もご提案させていただいています。
『ボルトを換装する事によってモータサイクルの性能が変わる』 そんな御伽噺のような事実。それは材料に拘り、製造方法に拘り、決して大量生産に走らない理由のある拵え方からくる真実。
例えばバイクや車。実際に使ってもらってわかってもらえるネジの効果。
知ってもらえればそれが一番の幸せなんです。
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