ベータチタニウム オフィシャルブログ

2009年3月16日

ブレーキキャリパーブリッジボルト その2

また後で一つにまとめますが、とりあえず前回の日記の続き。

単純にキッチリと締付けを安定させるのであれば、引張強度の高い金属を使えば良いのか?という結論になろうかとも思います。

しかしながらTi-6Al-4Vという金属の大きな特徴によってボルトという機械の優位性があります。

単純に引張強度だけを比較すると大きな違いは無いのですが、その他機械的性質では結構違うもんなんですよ。

大きく違うのは比重なんですが、今回のブリッジボルトにはあまり関係ありません。

Ti-6Al-4Vのバランスがブリッジボルトに有効に効くんです。

ボルトに有効なバランスとは。

引張強度が強く
ヤング率が低く
0.2%耐力が低く
比重が軽く

それは

締め付けが良く、
変位が少なく、
戻りが強く
軽い、

という特性になります。

上記を満たす金属とは多くは無く、流通している金属ではTi-6Al-4Vが最高レベルのバランスを示しているのです。

単純に強いだったり、軽いだったりと金属の特性は言われがちなんですが、私が自社のボルトで一番お勧めしたいポイントは『スプリングバック』と呼ばれる螺旋を締めこんだ際に発生する『締めておこうと継続的に掛かる強さ』なのです。

強さだけでも、軽さだけでも、螺旋の良さには繋がりません。

そんな特性をいろんな方に知っていただきたい。

しかしながらブログという媒体でキチンとお伝えするのも難しいと思い

新たにカタログを作り直しました。

内容は車、バイクに関わらず基本的なTi-6Al-4Vと他金属の比較データ
そして今まで諸事情で公表出来なかった本当の意味での『β鍛造』について。

多少専門的ではありますが、読みやすい内容になるように勤めました。

現在印刷作業中ですので、まだ手元にはございませんが、恐らく来週末の『東京モーターサイクルショウ』で持っていけると思います。

また、モーターサイクルショウ以降はご希望される方への郵送も考えております。

少しでもTi-6Al-4Vチタン合金へのご理解をいただくために、見ていただきたいカタログです。

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2009年3月13日

ブレーキキャリパーブリッジボルト

最近のオートバイのブレーキで主流になりつつあるのはモノブロックのキャリパーなんですが、まだまだ実際に運用されているのは2ピースタイプではないでしょうか?

今日はその2ピースキャリパーにベータチタニウムの出来る事としてのご提案。

ブリッジボルト(橋渡し)での効果を書いてみようと思います。

以前『割締めの効果』という記事でも書いたのですが、Ti-6Al-4V鍛造で拵えたボルトの優位性はやはりその強さなんですね。

下の図をご覧下さい。

2ピースキャリパーに力が掛かった際のブリッジボルトのイメージを書いてみたんですが、基本的に純正の鉄系統の材質とTi-6Al-4V鍛造とは引っ張強度では大きな差があります。

ボルトにおける強さをちょっとお話すると引っ張強度という区分があるのですが、Ti-6Al-4Vはクロモリ鋼と同じくらいの引っ張強度をがあります。

引っ張強度
鉄=400N/m㎡
ステンレス=520N/m㎡
Ti-6Al-4V鍛造=980N/m㎡
クロモリ鋼=980N/m㎡
(計測数値ではなく基準数値です)

単純に鉄系統からは倍前後の引っ張強度を持つTi-6Al-4Vでブレーキのブリッジ(橋渡し)をしてやる事により、組込み剛性を上げ、機械剛性全体を引き上げることが可能になり、純正ボルトで発生していた微妙な歪みや、開きを抑えられる事になります。

結果としてブレーキキャリパー自体の”仕事”を正確に出来るようになります。

ではここでクロモリ鋼で造っても同じなのかと思われる方も多いと思うのですが、
クロモリ鋼とTi-6Al-4Vの違いがあるので一概にクロモリ鋼でこのような効果が確認出来ない事があります。

さて、その違いとは一体何なのか?

それは…

続きます。

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2009年1月16日

物造りで思うこと。

最新技術はすばらしい。

沢山の人間の英知の集合体

新しい技術が世の中に毎日毎時毎分のように生まれ出てきています。

最新技術が素晴らしい事になんら異論はないんです。

でも、その対極にあるのが既存技術。

技術というのは技。

基本的なスタンスは数世紀も前でありながら、
機械の製造から数十年経っていても

培ってきた技というものは最新技術にも負けないと思っております。

ベータチタニウムのボルトは基本的にTi-6AL-4V転造ボルトです。

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2009年1月9日

Real Speed

今日の日記はベータチタニウムの製品をお取り扱い
いただいているバイクショップをご紹介させていただきます

ご紹介しますのは埼玉県さいたま市にあるReal Speed

店内入り口。

GSX-Rが沢山います。

店内にも沢山います。

こちらのショップさんのお得意とするのが油冷のGSX-R

レストアはもちろんのこと、各時代のオートバイに的確に
現代のテクノロジーを使用する発想と技術は脱帽ものです。

店長の齋藤さん。

正直な話、これほどのネジマニアは中々いません。

齋藤店長のネジボックス(趣味編)

趣味編とついているのは、使用目的ではなく、ただ単純に
コレクションとして集めているボルトナットのボックスなんですね。

んで、この中身は到底ウェブで公開出来る内容では御座いませんので、
モザイクをかけさせていただきました。

正直ネジ屋の私が見ても驚く(というかネジ屋だからこそですかね)
非常にマニアックなネジを集めてらっしゃいます。

油冷好きな方、
ネジマニアな方は是非一度行ってみてください。

リアルスピード
所在地 埼玉県さいたま市桜区道場2-21-36
電話番号 048-856-1040
営業時間 AM11:00~PM8:00
定休日 火曜日

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2009年1月7日

Development ?

ベータチタニウム開発というと、

ネジやシャフトの設計や表面処理やらチタンの活用方法
そーゆーことをやってるんではと思われているんですが、結構何でもやります。

(一部では営業メインだろとも言われてますしorz)

いや、やってるんですよ

『開発』

上記で書いたネジやシャフト、表面処理にチタンの特性実験なんかがメインのお仕事なんですよ。

で、

この特性実験ってヤツ

これは結構色々な実験をやります。

振動吸収性
破断試験
対振動試験
引張強度確認
酸化皮膜特性

その他にも、他分野との合同研究なんかをやるんですよ。

そういった内容ってなかなかブログでも書けない事が多く、
日記の更新に対してレスポンスが悪くなってしまってるんですね(言い訳じゃないですよ!!)

そんな開発案件のなかで今回はとある所から依頼があり、
色々な実験を必要とする一つの案件が私の手元に来まして。
珍しく内容公開しても差し支えのない案件なのでちょいと出してみようかと思います。

ぐい呑み。

日本酒の呑み器ですね。

これをチタンで造る価値があるのか?
これをチタンで創る意味があるのか?

遊びじゃなくて、科学的に、そして医学的に。

人体に対しての影響を可能な限り考えて。

やってみようと思います。

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