2012年2月15日
他社製品の陽極酸化処理をお断りする理由
やけに固い題名となりましたが、今日も少々お付き合いください。
なぜ他社で製造したボルトの陽極酸化処理をお断りしているか?
ということですが、製造工程がや材質が変われば流れる抵抗が変わり他の製品にまで影響するからです。
そうなってしまった場合、他の製品ももう一度やり直しばかりか、お客様から預かった製品もネジとして使用できなくなる恐れがある為です。
上記が電話やメールでの回答となります。
やはり、過去に他社製品を自社製品と共に陽極酸化処理を施した事があります。
64チタンであるからには自社製品と同じように処理すれば同じように発色するのですが、お客様から預かった製品を一緒に陽極酸化処理した際に「異材混入」の報告が来ました。結局、そのお客様のボルトが異材でした。そのボルトの素材が何であったかは分析していませんが、明らかに64チタンでは無いチタンであったことは間違いありませんでした。
弊社も一企業として他社製品を購入し検査及び分析をします。
まず、機械部品としてのネジの精度をリングゲージで確認しますが、この段階で機械部品としてのネジとみた場合、不良率の多いことには驚きます。焼き付きやカジリの原因がこうしたネジの不良にあっても個人の方では判別できない要素です。そして最終的に自社製品と共に陽極酸化処理をして、材質の確認を行います。この段階でも「異材」の判定を受ける64チタンボルトが存在しているのは事実です。
間違って64チタンではない合金をボルトにしてしまったのかというような詮索や責任の所在を追求しませんが、64チタンで無い物を64チタンだと言って売っていたことは事実で、ネジ不良であるボルトが流通していることも事実です。
この2点が「64チタンは焼き付く・すぐ折れる・耐久性がない」など、巷でいう噂になります。
お客様と商談すると何人かに一人は上記のように否定されますが、メーカーとしてお客様に購入していただき、使い勝手が悪いなど改良すべき点は
今後の課題として、時期を見て検討しますが、購入されずに批判することはお手柔らかにお願いします。
話は戻しますが、
他社製品を陽極酸化処理しない理由として、新品のボルトを送られてきて、ネジ不良・異材であっても預かって処理を行ってしまい不良が発生した場合、こちらにも責任があると思うからです。
ごく稀にこうした製品が流通しているのならまだしも、多くの製品が上記2点に該当します。
そう言えば弊社の営業車「ファンカーゴ」ですが、自社のホイールナットを装着して、かれこれ140,000kmになります。
焼き付きやカジリは起こっていませんよ!
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2012年2月10日
中空加工
こんばんは。製造のショウジです。
今週は中空加工の依頼が結構多かったですね。
でも、中空加工の依頼と言っても色んな穴径、長さがあります。
そこは、その人が求める目的によって変わってきますね。
例えば、振動吸収性を高めるのが目的であったり、軽量化を求めたり。
中にはボルトヘッドに水が溜まるのが嫌だから、水抜き用での中空加工なんてのもありました。
で、実際どうやって穴を空けているのかというと・・・・・・
ほとんどが手動です。
これには当然理由がありまして、当社のボルトのは64チタンの鍛造材を使用しているからなんです。
ボルトの中空加工を行う時には当然ボルトヘッドからか、あるいはネジ部の底のいずれかから穴を空けていきます。
普通のボルトならスッと貫通するところなんですが、
64チタンの鍛造材のボルトヘッドの六角穴は鍛造で形成されているために非常に硬いです。
(これが六角レンチを掛けた時に六角穴がなめにくい理由)
そのため、ドリルの刃が非常にたちにくいです。
ボルトヘッド側から空けようとすると六角穴の底に穴を空けるだけでドリルの刃がボロボロになります。
結果的にネジ部の底から穴を空けていくことになるんですが、
ドリルが貫通する瞬間に(六角穴に貫通する瞬間)刃先が噛みこんで持っていかれてしまい、
結果ドリルが折れてしまったりするんです。
なので、どうしてもそこは手の感覚が重要になってくるんですね。
さらに、上手く貫通したとしてもドリルの刃先は一番切れる部分がヘタってしまいその度にドリルを研ぐことになります。
それは、太くても細くても研ぎます。
(1.5ミリのドリル)
そしてもう一つ硬くて中空しにくい箇所があります。
それは、ネジ部。
鍛造材の六角穴を空けるのに比べて比較的ましとはいえ、ここも空けにくいです。
理由は転造ネジだからです。切削ネジならなんともないんですが、転造してあると転造ネジ部の組織が微細化し、
密度が集中し、他の部分に比べ中空しにくくなります。(ネジが太くなるほど空けにくいです。)
で、すべてを貫通すると・・・・・中空ボルトの完成です。
たかが中空。されど中空。
以上、製造のショウジでした。
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2012年2月8日
ネジの加工
今日はネジの作り方についてです。
ネジの製造で手軽に行えるのが切削ネジと呼ばれていて、NC旋盤を用いて刃物で削っていきます。
そのプログラムの組み方にも3種類ほどあります。
片刃と言われるのもで片方の刃だけで角度をつけて削り込んでいくもの。
また、千鳥と呼ばれていて交互の側面を削っていくもの。また、まっすぐ切り込んでいくものがあって、ネジの形状やピッチやリード角によって使い分けます。
ここのところは人それぞれの好みや経験もあって、これが最適というものはありませんし、あえて無理にこれでということも言いませんが、難しいネジの依頼があった場合にはある程度の条件だけは伝えておきます。
その他、切削ネジにはNCだけでなく様々な加工方法があり、選択肢が多い加工方法です。
次に転造と呼ばれる加工方法で大きく4種類ほどの転造機があります。
大量生産向けには、平ダイスと呼ばれているもので、一気に数本を並べて一気に転造加工をします。
ほとんどがオートメーション化されていて、自動で行うようになっています。
その他、3ダイスと呼ばれていて3つの丸ダイスで転造加工を行い主にパイプの転造に使われます。
最近では転造のNC機が出てきており、一つの丸いダイスの表面に、3つの違うピッチのダイスを取り付けNC制御で3か所違うネジを転造する事が出来ます。しかし、多品種・少量ともなると段取りに手間取ることとなりますし、いろんなコストの事を考えるとなかなか導入しにくい機械でもあります。多分、供給機をつけて量産向きなんでしょうね。
最後に弊社にある転造盤です。
二つの丸ダイスの間にネジ下径に加工されたものを手で入れて、フットスイッチを踏んで回転させながらネジをもみあげていきます。
ほんと、手作業です。
この機械のメリットは、M3×0.5~M24×3.0まで転造加工が可能ということ。また、段取り変えが他の機械に比べ楽に出来ることから、多品種・小ロットに向いていますし、供給機を取り付けることによって量産機にも変身します。
しかし、何よりも大きな転造のメリットは・・・・・・・・・
ネジ下径の公差範囲内であれば研磨された転造ダイスの形を転写するだけですので、非常にネジの品質が安定しています。
↓ は、初めての動画となっています。
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2012年2月8日
ZX-14R&ZZ-R1400用リアサスリンクボルトキット発売開始!
リアサスペンション&リアリンクボルトキット。
各種レースシーンで培ったベータチタニウムのレーシングスペックパーツとしてこの度RSRKBT-KW01をリリースします。純正ボルト重量263gのボルトキットを高い強度のTAB6400だからこそが実現出来た全ボルト中空加工処理を施しボルト全体で144gと6割以下に抑えました。
ただでさえ軽量なTAB6400を更に軽く、そしてある意味アクスルシャフトの集合体とも言えるリアサス&リンクボルトキットを換装する事によりリアサスペンションの動きを正しく車体に伝える事が可能です。
更に締付けトルクの増大によりリンクの動きを制限するのを避けるため純正締め付けトルクで安定したトルク管理を実現するため適合グリップロックナットも同キットに使用してあります。
キット内容
M12P1.25-110L
M12P1.25-75L
M10P1.25-77L
M10P1.25-62L
M10P1.25-55L 各1本
TIGN-10×3
TIGN-12×2
純正品番ボルト品番
92153-1614
92153-1615
92153-1613
92153-1367
92153-1368
ご購入、詳細確認はベータチタニウムオンラインショップで!
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2012年2月7日
ヤマハ用EXSTD販売開始!
ご好評いただいておりますEXSTDシリーズ
カワサキ用メインのラインナップでしたが本日ヤマハ用を3点追加いたしました!!
ヤマハ車汎用エキゾーストスタッドボルトType1
該当純正品番95612-08625 適合車種 06’~11’YZF-R1
ヤマハ車汎用エキゾーストスタッドボルトType2
該当純正品番90116-08011 適合車種 03’~ XJR1300
ヤマハ車汎用エキゾーストスタッドボルトType3
該当純正品番90116-08617 適合車種 97’~01’ SR400
※価格は製品1本の価格です。
※陽極酸化は受注後の追加工となるため、キャンセル、返品、交換はご遠慮ください。
※ご注文の際は必ず対応品番をご確認下さいませ。
また引き続き車種展開を増やしていきますので対応してない車種の方はご希望いただければ対応いたします!!
カテゴリー:お知らせ
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