ベータチタニウム オフィシャルブログ

2007年8月26日

ネジのサイズ 測り方2

ベータチタニウム 木内です。

明日からは松山が帰ってきますので、日記は松山に戻します。

今日は測り方の2日目です。

昨日、用意したカネサシを多用します。

これは弊社の図面になります。

ここの記号の全てに数字を入れていただくだけでボルトは出来上がるように、細かい数字については、社内規定があります。

さて、ネジの寸法で一番不可解な寸法Sについてです。

あえて理解しやすいようにA・Bを入れています。

SはJIS規格で有効長さと呼ばれるもので、それに準じて図面を書いています。

有効長さ??実際にノギスで測ったり出来ませんので余計に理解しにくいです。

オートバイや自動車の延長線上で弊社のボルトをご購入いただいているお客様に理解してくださいとは言えません。
ただ、予備知識として持っていることで、将来有益になる事もあるかと思いますので読んでください。

弊社、TIHC-08040 を例にとって話を進めます。
社内規格ではS=22mmです。
これは有効長さといって、22mm+αmmまでナットが入ります。

ということをJIS規格に則って表記しています。
このαなんですが・・・
図面のA部分で2ピッチ以内ということになっています。

弊社製品ではA+Sの長さが22+1.25×2=24.5となります。
Bについては使用に差し支えない場合を除いては表記することはありません。

実際にSを正確に計測すると23mm前後になっています。
(転造の場合、若干前後します。)
JISに則った図面表示で製作されたボルトは社内規格に準じているということになります。

では、他の寸法を実際にカネサシを使って測ってみましょう。

このようにLを測ります。

ボルト製造メーカー及び車両製造メーカーによってバラツキはありますが大体40mmぐらいになっていますね。

Sについてですが、個人の方からのご注文の場合は弊社規格で対応出来るように作ってあります。

そのほかのサイズに対しては

このように真っ直ぐな物に当てて測っていきます。

「どうしても色々なボルトが欲しい!」って方は、親しいショップを紹介しますのでご相談下さい。

まずは、ブレーキローターボルトやキャリパーマウントボルトあたりを交換してみては如何でしょう?

国内最強といわれる64合金ボルトの威力を実感していただけると思います。

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2007年8月25日

ネジのサイズ測り方 1

こんにちは、ベータチタニウム 木内です。

今日は簡単に安く調べることが出来る方法を日記にします。

まず、

用意する物
カネサシ(150mm)
ボルト
(M6×20L 1本)
(M8×20L 1本)
(M10×20L 1本)

上記4点は全てホームセンターで購入してください。
これが無いと出来ません。

これだけ揃えると、今日からベータチタニウムに別注なんて荒業も可能になります。

昨日は会社にミリ系のピッチゲージが無いと書きましたが、通常業務の中では、製品をピッチゲートして使います。

ホームセンターでネジを・・・というのも、
昨日の日記で書きましたように、並目のピッチのボルトが売っているからです。

M6はピッチ1.0mm

M8はピッチ1.25mm

M10はピッチ1.5mm

同じピッチのネジ同士を合わせると

気持ちがいいくらいに揃います。

しかし、ピッチが違うと

ガリガリしてて、合いません。

こうしてネジ同士を合わせることによってピッチを確認します。
ピッチが0.06mm違うだけでも、必ずスキマが空きます。

難しいことを書いていますが・・・
オートバイの場合、この3種類のピッチのネジが95%以上を占めます。

ミリネジを使うオートバイって、理解しやすく出来てます。

最後にネジ屋の本領発揮です。

見ただけで判別しにくいネジでは

M10×1.0(ピッチ)UNF3/8-24

また・・

M20×2.5(ピッチ)UNC3/4-10

よく間違えるネジ同士です。

もしややこしいネジが混ざった場合、予めネジ同士を合わせ、ピッチごとに分けてノギスで計測し確認します。

後は違うネジが混ざっている場合には、音で分かったりもします。

材質が一緒でも頭部の形が違ったり、径が違ったり、長さが違うと体積が変わるから、音が変わるんです。

明日も出勤確定ですので、カネサシを使った計測方法を書きます。

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2007年8月24日

ネジの話です。

今日は
ある意味、特殊なネジを使うオートバイ・自動車関係の話です。

なぜ特殊なのかといいますと・・・・

ネジのピッチが特殊です。
いわゆる細目といわれるピッチが多く使われているんです。

オートバイ・自動車を自分で整備する人などは、「え??」と思われるかも知れませんが

ネジの規格では細目です。
工業関係では細目を使うことが少ないのが現状です。
だから・・・・
ホームセンターで下図のd=12mmのネジを買っても、オートバイ・自動車には使えません。

ピッチが違います。

まずはピッチの話です。

ネジピッチとは山と山の頂点の間隔です。

ピッチの間隔はミリ規格とインチ規格とでは認識が違う(ニュアンスが違う)ということになりますので、今回はインチ規格を省いて考えます。

JIS規格では、ピッチが最大のものを並目、それ以下のものを全て細目と呼びます。

よくM6×1.0-6gと図面に表記しますが、

M6Mはミリ規格を意味します。
6外径です。(呼径)
1.0とは上記で説明したピッチに該当します。

最後の6gですが、ボルト・ナットのハメアイ公差を意味しています。

6のところで(呼径)と書いたのは、
6gというハメアイ公差が関係してくるために
6.000mmに対して、約0.150mm程度細くなっています。

ネジを作る場合、ココが重要になっています。
ココが理解できていなけりゃネジは出来ないといっても過言ではありません。
ネジが太けりゃ抜けないし、細けりゃゴソゴソです。

最後にオートバイに使われるネジのピッチを書きます。

M4×0.7(並目)

M5×0.5(細目)
M5×0.8(並目)

M6×0.75(細目)
M6×1.0(並目)

M7×1.0(並目)(規格外)

M8×1.0(細目)
M8×1.25(並目)

M9×1.0(細目)(規格外)

M10×1.0(細目)
M10×1.25(細目)
M10×1.5(並目)

M12×1.0(細目)
M12×1.25(細目)
M12×1.5(細目)
M12×1.75(並目)

会社にはミリネジのピッチゲージがありません。
今まで20年以上ネジに関わってきましたが、ミリネジのピッチを調べるためにピッチゲージを使ったことがないんです。

ネジ屋では、ごく当たり前のことなんですが・・・・

明日は、ネジのピッチと各部サイズの測り方を書きます。

 

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2007年8月23日

今日はちょっと固い話です。

この仕事を始めてからチタン合金の固さ(正式には硬さ)について、ず~~っと悩んでいます。

それは鉄には様々な種類があって、用途にあった特性の材質があります。
また、メッキ及び焼入れなどの表面処理が確立されています。

ですが・・・
チタンにはそういったものがほとんどありません。

もし・・・
自動車エンジン内部の鉄をチタンで出来たなら・・・・
楽しくなりますね。

地球温暖化防止に貢献できます。(ホント。

将来、チタンが普及してくれば技術開発が進み、どんなところにもチタンが使えるようになるでしょう。
しかし、それは数十年先の話なのか?数百年先の話なのか?は分かりません。

ただ、私が生きている間に・・・というか、自分が見たい・やりたいだけなんですが・・・

ベータチタニウムとしての結果を出したいですが、まだ、硬さについての悩みは現在進行中です。

次回はネジの話をします。

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2007年8月21日

ベータチタニウム 木内です。

はじめまして、ベータチタニウム 木内です。

今日から松山が関東方面に出張に行っていますので、私が日記の担当をさせていただきます。

あれ???。

ブログの題名が変わってる。

やられました。orz

チタンとネジの話が中心になりますので、技術系の方は必見です。

今日は国内のチタン事情の話をします。
まずは、サラッ?とチタンの製造工程の話をします。

チタンはルチル鉱石(チタン原石)から、純粋なチタンを取り出します。
いわゆる精製といわれるものです。

日本国内では「住友チタニウム」「東邦チタニウム」の2社で行っています。

精製されたチタンは「スポンジチタン」「チタンインゴット」と呼ばれるもので、それらは神戸製鋼・大同特殊鋼・新日鉄・愛知製鋼・住友金属で材質ごとに調合され、丸棒・板・パイプなどに加工され市場に流通します。

弊社では、このように出来た丸棒を仕入れ加工して、ボルト・ナットとしてお客様にお届けしています。

ここ数年の間にチタンの値段は高騰していますが、その理由のひとつに海外での航空機需要が伸びているためといわれています。
それによって国内でルチル鉱石から「スポンジチタン」「チタンインゴット」精製していたのでは供給が間に合わない為に、海外から「スポンジチタン」「チタンインゴット」を購入し、再精製しているからだと言われています。

ところで「なぜ?海外からのスポンジチタンを再精製??」と思われた方は鋭い!。

「不純物を除去できていない。」
これが一番の理由です。

不純物を除去できていないスポンジチタンで板・丸棒・パイプなどの材料を作った場合、どういう不具合が出るのか?

「曲げればすぐ折れる。」「引張ればすぐ切れる。」となります。

「あっ」と心覚えのある方。

まさしく「それ」です。

ネバリが足りません。

国内で板・丸棒・パイプを作っている製鋼メーカーでも海外の「スポンジチタン」を使う事を検討しているようですが、実現には至っていないようです。

このような事情があるので、弊社が日本国内の材料に拘っているというのを理解していただけると思います。

「全てのお客様に最上級の製品を!」

これからもずっと持ち続けたい信念です。

これが住友チタニウム製「スポンジチタン」です。(&木内の手

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